MARCH併願で落ちる人の共通点は?学部別形式への対策が鍵

MARCHを併願校として受験する人のなかには、十分な学力があるにもかかわらず不合格になるケースが少なくありません。その原因の多くは、併願数を増やすことに意識が向きすぎて、学部ごとの試験形式への対策が手薄になっていることにあります。

本記事では、MARCH併願で落ちる人に共通するパターンを整理し、限られた時間のなかで合格を勝ち取るための具体的な対策の考え方を解説します。併願パターンを検討している受験生や保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

MARCH併願で一番失敗しやすいポイント

MARCH併願において最も見落とされがちなのは、併願校の「数」ではなく「対策の質」が合否を分けるという事実です。ここでは、多くの受験生が陥りやすい失敗パターンを具体的に見ていきます。

併願数よりも対策の中身が結果を左右する

受験生の心理として、「できるだけ多くの大学・学部を受けておけば、どこかには受かるだろう」という考えが生まれやすいものです。しかし、この発想が裏目に出るケースが非常に多いのが現実です。

MARCHの各大学は、それぞれ異なる出題傾向と配点を持っています。併願数を増やせば増やすほど、1校あたりの対策時間は必然的に減少します。結果として、どの学部の試験にも十分な準備ができないまま本番を迎え、全滅に近い結果になることがあります。

5校以上を併願する場合、それぞれの過去問を最低3年分解くだけでも相当な時間を要します。まずは併願数を絞り、1校ずつ確実に得点できる状態を目指すことが重要です。

学部ごとの試験形式を軽視しがち

同じMARCHでも、大学や学部によって試験の特徴は大きく異なります。たとえば、明治大学の一般入試ではオーソドックスな長文読解が中心ですが、立教大学では英語の外部検定試験を活用した入試方式が主流となっています。

このような違いを把握せずに「MARCHレベルの問題なら対応できるはず」と考えてしまうと、本番で想定外の出題形式に戸惑うことになります。特に、青山学院大学の共通テスト併用方式や、中央大学の法学部のような特殊な配点を持つ学部では、形式理解の有無が合否を分けます。

併願校を選ぶ段階で、各学部の入試要項を確認し、自分の得意分野と相性の良い形式を選ぶことが戦略の第一歩です。

対策が追いつかないまま本番を迎える

国公立大学を第一志望としている受験生にとって、MARCHは「滑り止め」という位置づけになることが多いでしょう。しかし、この意識が対策の遅れにつながるケースが後を絶ちません。

国公立の二次試験対策に時間を割くあまり、私立特有の出題形式への対応が後回しになることがあります。たとえば、英語の長文読解において、国公立では記述式が中心ですが、MARCHでは選択式のマーク問題が多くなります。この形式の違いに慣れていないと、時間配分で失敗しやすくなります。

  • 私立入試特有のスピード感に対応できない
  • 選択肢の吟味に時間がかかりすぎる
  • マークミスや塗り間違いが発生する

これらは、直前期に過去問を数回解いただけでは解消しにくい問題です。遅くとも秋の段階から、併願校の過去問に触れる時間を確保しておくことが必要です。

MARCHは学部ごとに試験のクセが違う

MARCHを一括りにして対策を進めると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。ここでは、学部ごとの試験形式の違いと、その違いが得点にどう影響するかを解説します。

同じ大学でも学部で出題形式が異なる

MARCHの各大学は、全学部統一入試と学部別入試の両方を実施しています。同じ大学であっても、この2つの入試では出題内容や難易度が異なることが珍しくありません。

たとえば、明治大学では全学部統一入試が比較的標準的な問題構成である一方、学部別入試では各学部の特色を反映した出題がなされます。商学部ではデータの読み取りを求める問題が多く、文学部では長めの文章読解が重視される傾向があります。

また、法政大学では学部によって試験時間が異なり、同じ英語でも60分と90分の学部が混在しています。時間配分の感覚が狂うと、解ける問題を落とす原因になります。

配点や時間配分の違いが点数に影響する

試験形式だけでなく、配点の違いも見逃せない要素です。以下の表は、MARCHの一部学部における配点構成の違いを示しています。

大学・学部 英語 国語 選択科目 合計
明治大学・商学部 150点 100点 100点 350点
青山学院大学・経済学部 150点 100点 100点 350点
立教大学・経営学部 外検換算 100点 100点 200点+外検
中央大学・法学部 150点 100点 100点 350点

英語の配点が高い学部では、英語での得点力がそのまま合否に直結します。一方、立教大学のように英語外部検定を活用する学部では、試験当日の英語筆記がないため、国語や選択科目の出来が決定的な要素となります。

自分の得意科目の配点が高い学部を選ぶことで、合格可能性を高めることができます。

一校対策だけでは併願に対応しきれない

第一志望の対策に集中するあまり、併願校の対策が手薄になることは前述のとおりです。しかし、問題はそれだけではありません。1校の対策に特化しすぎると、他校の形式に適応できなくなるリスクがあります。

たとえば、明治大学の問題に慣れすぎると、青山学院大学の共通テスト併用方式や、立教大学の英検利用方式に対応しづらくなることがあります。これは、問題の「クセ」に慣れることと、「形式」に慣れることが異なるためです。

併願校が複数ある場合は、共通して求められる基礎力を固めつつ、各校の形式に触れる時間をバランスよく配分することが求められます。

赤本を併願分すべて解くのが現実的でない理由

併願対策といえば赤本(過去問題集)を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、併願校の数だけ赤本を揃えて解き切ることは、現実的には困難です。その理由と代替策を考えます。

併願学部ごとに赤本を揃えると時間が足りない

MARCHを5大学×2学部ずつ併願した場合、合計10冊の赤本が必要になります。各冊に3〜5年分の過去問が収録されていると仮定すると、解くべき問題数は30〜50回分に上ります。

1回分の過去問を解き、復習まで含めると最低でも3〜4時間が必要です。50回分を消化するには150〜200時間が必要となり、これを直前期の1〜2か月でこなすのは物理的に無理があります。

  • 1日3時間を過去問に充てても、約2か月を要する
  • 他教科の復習や弱点補強の時間が圧迫される
  • 体力的・精神的な負担も大きい

したがって、すべての併願校を同じ深さで対策するのではなく、優先順位をつけた取り組みが必要です。

直前期ほど問題数が不足する

赤本に収録されている過去問は、通常3〜5年分程度です。これを秋の時点で解き終えてしまうと、直前期に新しい問題がない状態で本番を迎えることになります。

直前期は実戦形式で時間を計って解く練習が重要ですが、すでに解いた問題を再度解いても、答えを覚えてしまっていることがあります。これでは本番に向けた実力確認になりません。

赤本を使うタイミングを計画的に設定し、直前期用に1〜2年分を残しておく工夫が有効です。また、予備校や出版社が提供する予想問題集を活用するのも一つの方法です。

形式慣れが中途半端になりやすい

多くの赤本に手を出すと、どの学部の形式にも「少し触れた」程度で終わってしまいます。これでは、本番で問題を見たときに「なんとなく見覚えがある」という状態にとどまり、確実に解ける手応えにはつながりません。

形式に慣れるとは、問題を見た瞬間に解法の方針が浮かぶレベルまで繰り返すことを指します。この状態に達するには、1つの学部につき最低3年分は解き込む必要があります。

併願校が多い場合は、志望度の低い学部については形式確認程度にとどめ、合格可能性の高い学部に集中して対策するメリハリが求められます。

MARCH併願対策で優先すべき考え方

ここまで見てきた失敗パターンを踏まえ、MARCH併願で成功するための考え方を整理します。完璧を目指すのではなく、合格に必要な得点を安定して取る戦略が重要です。

満点を狙う必要はない

MARCH入試において、満点を取る必要はまったくありません。むしろ、満点を目指す勉強は非効率になることが多いです。

入試問題には、基礎的な問題から難問まで幅広く出題されます。難問に時間をかけすぎると、確実に取れるはずの基礎問題でミスをする原因になります。合格者の多くは、難問を捨てて基礎・標準レベルの問題を確実に得点しています。

過去問を解く際は、どの問題が「取るべき問題」で、どの問題が「捨ててもよい問題」かを見極める練習も重要です。この判断力が本番での時間配分を左右します。

合格最低点を安定して取ることが目的

MARCHの合格最低点は、学部や年度によって異なりますが、おおむね55〜70%程度の得点率に収まることが多いです。以下の表は、近年の合格最低点の目安を示しています。

大学・学部例 満点 合格最低点目安 得点率
明治大学・商学部 350点 約230点 約66%
青山学院大学・経済学部 350点 約210点 約60%
立教大学・経営学部 230点 約128点 約56%
中央大学・商学部 350点 約215点 約61%

この数字を見ると、満点から逆算するのではなく、合格最低点に少し余裕を持った得点を目標にすることの合理性がわかります。「70%取れれば安全圏」という感覚を持ち、その水準を安定して出せるように練習することが実戦的な対策です。

形式対応力を横断的に身につける

MARCH各校の問題形式は異なりますが、求められる基礎力には共通点があります。英語であれば長文読解力と語彙力、国語であれば現代文の読解力と古文の文法知識、日本史・世界史であれば通史の理解と用語の正確な暗記です。

これらの基礎力を高めることで、どの学部の問題にもある程度対応できる「横断的な形式対応力」が身につきます。基礎力が固まっている受験生は、初見の問題形式でも大きく崩れることがありません。

  • 英語長文は毎日1題、時間を計って解く習慣をつける
  • 国語の現代文は選択肢の吟味方法を意識して演習する
  • 選択科目は通史を一巡させた後、テーマ別に弱点を補強する
  • 過去問演習では、正解の根拠を言語化する練習を行う

これらの取り組みを日常的に行うことで、併願校の数が増えても対応力が落ちにくくなります。

まとめ

MARCH併願で不合格になる人の多くは、併願数を増やすことに意識が向きすぎて、学部ごとの試験形式への対策が不十分なまま本番を迎えています。同じMARCHでも大学・学部によって出題傾向や配点は異なり、「MARCHレベル」という一括りの対策では通用しません。赤本をすべて解き切ることは現実的ではないため、優先順位をつけた戦略的な取り組みが必要です。満点を目指すのではなく、合格最低点を安定して取れる状態を目標に、基礎力の強化と形式慣れを並行して進めてください。

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